その日は悪夢とのどの痛みとともに目が覚めました。
鏡を見るとのどの部分が若干赤いのが分かります。おそらくカゼでしょう。
非常食を食べ続け4日目で体を壊すというのは嘘ではありませんでした。
この食生活を続けて最終日を迎えた後、何を食べたいかはかんがえていません。
食欲というものが根こそぎ落ちた気分です。食べたいという気持ちが分からない。
私はカレーというものが嫌いでした。辛いし味は単調だし。
でももうほとんど作れる料理が限られていることもあり、最終日はカレーを食べることにしました。
カレーなんて滅多に食べることがありませんが、がっこうぐらしに出てくる料理が尽きてきたので仕方なしにカレーを調理しました。
今回使ったのはセブンで売っているカレー缶です。一缶300円弱という値段の高さ。
見た目に反して調理は簡単。鍋で暖めるかレンジでチンするだけです。
ご飯の上にかけただけなのにこんなに美味しそうに仕上がりました。
ちなみにがっこうぐらしのカレーはこんな感じです。
アニメよりも美味しそうに作れたのは初めてかもしれません。さりげなく端に薬の山がありますね。ビタミン剤にしてはちょっと多すぎではありませんか?
この瞬間のゆきちゃんがすごく可愛い。カレーも美味しそうだし。
さて気になるカレーの味ですが・・・・・・
まろやかな辛味、温まる体、この上ない上質な味でした。
一缶300円という高級さは伊達ではなかった。質素な生活に一滴の雨のようなそんな上質感があります。肉というのがいい。チキンでもすごくありがたみを感じます。
このカレーあまりにも美味しかったので夕飯にも流用しました。
美味しかったー。
さて非常食生活で5日間を体感しましたが、その上でひとつ言えることがあります。
非常食は所詮、 非 常 食 でしかない。
非常食は空腹感を満たしてくれました。ですが栄養面・健康面は満たしてくれませんでした。こんな食生活をずっと続けていればいずれ体を壊します。そうならないためにも非常時に美味しく食べられる食品や調理方法を体得しておくべきです。
とくにシチュー缶やカレー缶は遺憾なく力を発揮してくれます。缶詰はあまり頼らないほうがよさそうです。
意外と、5日間を非常食で過ごすというのは精神的にも辛かったです。ストレスがたまります。かつて被災者がわがままだの贅沢だの子供にゲームを与えるなんて間違ってるだの偏った批判をよく見ましたが、被災地に対して批判を言うのは間違っています。
彼らは我々よりも何倍も辛い生活をしていたんです。我々は何不自由もない幸せな環境でアニメをみたり女の子をナンパして酒場で美味しいものを食べている間、被災者の方はまずい非常食で己の健康を削りながら生きつづけていました。
私は数年間カゼをひいたことがなく体の強さには自身がありました。なのに食生活が悪くなったとたんこのザマです。
滑稽ではありませんか!贅沢な暮らしをしている我々が、普通の暮らしを望んでいる国民に対して批判を浴びせるのは。
非常食は所詮非常食でしかありません。命を保障しても健康や痛みまでは保障してくれないんです。このことに気づかなかったら私は災害時に多大なストレスを抱えていたと思います。
若い女性は野菜スティックにサラダだけという異常な生活をしているそうです。もしそうであるならば即刻普通の食生活に戻るべきです。働く上でも生きるうえでも栄養は大事です。見た目を細くするなんてバカなことのために体を悪くするなど愚の骨頂です。